
マトウダイは普段は深海に暮らす魚ですが、産卵期の冬場になると浅場に接岸してくるため、タイミング次第では比較的狙いやすいターゲットになります。独特の姿形と上品な白身が特徴で、真鯛釣りの外道として釣れることもあれば、専門に狙って楽しむアングラーも増えてきました。今回は、マトウダイを釣るための基本的な仕掛けや釣り方について解説していきます。
マトウダイってどんな魚?
マトウダイは漢字で「的鯛」と書き、体側にある黒い円形の斑紋が弓の的のように見えることから名付けられました。鯛という名前がついていますが、タイ科ではなくマトウダイ科に属する別の魚です。
普段は水深100m以上の深場に生息していますが、12月から3月にかけての産卵期になると水深40m前後の浅場へ上がってくるのが特徴です。この時期が釣りのチャンスになります。食性は魚食性で、小魚を捕食する際には驚くほど口が前方に伸びる独特の構造を持っています。
マトウダイを狙える時期と場所
釣りのベストシーズンは産卵期にあたる12月から3月ごろ。この時期に沿岸部の水深40〜150m程度のエリアに接岸してきます。釣り場は船釣りがメインになりますが、接岸状況によっては堤防や波止からも狙える可能性があります。
関東近海では相模湾や東京湾、関西では大阪湾や紀伊水道、瀬戸内海などで実績があるようです。真鯛やヒラメを狙った船が出ているエリアで、外道として釣れるケースも少なくありません。

マトウダイの基本的な釣り方
泳がせ釣り(最もポピュラーな方法)
マトウダイ釣りの定番は泳がせ釣りです。活きたイワシやアジを餌にして、底付近を探る方法になります。マトウダイは小魚を丸呑みする習性があるため、生きた魚を泳がせておくとバイトしてくる可能性が高まります。
仕掛けは捨てオモリ式が基本です。幹糸から枝を出してオモリをつけ、メインラインの先端に針を結んだシンプルな構造で、根掛かりしたときはオモリだけが外れるので経済的といえます。針はヒラメ針やマダイ針の10〜12号程度を使用し、餌のイワシやアジは背掛けまたは鼻掛けで泳がせます。
釣り方のコツは、着底後にゆっくりと誘いを入れつつ底から1〜2m程度のタナをキープすること。アタリがあっても慌てて合わせず、しっかり食い込むまで待つのが重要です。マトウダイは口が柔らかく、早合わせするとスッポ抜けてしまうことが多いため、竿先が海面に引き込まれるくらいまで待ってから大きく合わせるとフッキング率が上がります。
ジギングでの狙い方
メタルジグを使ったジギングでもマトウダイは狙えます。100〜200g程度のジグを使い、底付近をスローに誘うのが基本です。マトウダイはあまり激しいアクションには反応しないため、ジャークよりもワンピッチやスローな巻き上げの方が効果的だと言われています。
ジギングのメリットは手返しの良さと、広範囲を探れる点です。泳がせ釣りが餌の確保や仕掛けの準備に時間がかかるのに対し、ジギングはルアーを落として巻くだけなので効率的に数を狙えます。
ひとつテンヤ・タイラバ
真鯛を狙う仕掛けであるひとつテンヤやタイラバでも、マトウダイが食ってくることがあります。これらの釣法は底付近をスローに誘うため、マトウダイの捕食パターンに合っているのでしょう。専門に狙うというよりは、真鯛釣りの副産物として釣れるパターンが多いようです。
タックルと仕掛けの選び方
泳がせ釣りの場合、ロッドはヒラメ竿や船用のマダイ竿が適しています。2〜3m程度の長さで、オモリ負荷80〜150号程度に対応したものが使いやすいです。リールはスピニングリールまたは小型の両軸リールで、PE2〜3号程度を200m以上巻けるものを選びましょう。
ジギングの場合は、スローピッチジギング用のロッドとスピニングリール、またはベイトリールの組み合わせが基本になります。PE1.5〜2号を使用し、リーダーはフロロカーボンの6〜8号を1.5〜2m程度取ります。
仕掛けについては、泳がせ釣りでは捨てオモリ式が主流です。市販の泳がせ釣り用仕掛けを使えば初心者でも迷わず始められます。針のサイズは餌の大きさに合わせて選びますが、10〜12号程度が標準的です。
釣るときの注意点とコツ
マトウダイは口が柔らかく、引きも強くないため、取り込み時にバレやすい魚です。フッキング後も無理なやり取りをせず、一定のテンションを保ちながらゆっくりと巻き上げることが大切になります。急激なポンピングや強引な巻き上げは避けましょう。
また、船宿によってはマトウダイを専門に狙う船もあれば、真鯛やヒラメ狙いの外道として扱われる場合もあります。事前に船宿に確認して、マトウダイが釣れる可能性があるか、釣れた場合の扱いなどを聞いておくと安心です。
餌となるイワシやアジは船宿で用意してくれることが多いですが、釣り場によっては持参が必要な場合もあります。この点も事前確認しておくとスムーズです。
マトウダイの魅力と食べ方
マトウダイは見た目のインパクトとは裏腹に、白身で上品な味わいの高級魚です。フランス料理ではムニエルの定番素材として扱われ、煮付けや刺身、塩焼きなど和食でも美味しくいただけます。産卵前の冬場は身に脂がのって特に美味しいとされています。
釣ったマトウダイは、背ビレや腹ビレのトゲが鋭いため取り扱いには注意が必要です。クーラーボックスに入れる際も、他の魚を傷つけないよう配慮しましょう。
まとめ
マトウダイは冬場の産卵期に浅場へ接岸するタイミングを狙えば、初心者でも比較的釣りやすい魚だと感じています。泳がせ釣りが最も実績のある方法ですが、ジギングやひとつテンヤでも狙えるため、自分のスタイルに合った釣り方を選べるのも魅力です。
口が柔らかくバレやすい点には注意が必要ですが、じっくり食い込ませてから合わせ、丁寧にやり取りすればキャッチ率は上がります。真鯛やヒラメ釣りのついでに釣れることも多いので、冬の船釣りでは常に可能性のあるターゲットとして意識しておくといいでしょう。独特の姿と美味しい身を楽しめるマトウダイ釣りに、ぜひチャレンジしてみてください。






