磯の王者と呼ばれる魚をご存知でしょうか?その引きの強さと獰猛さ、難しさからそう呼ばれる魚の正体は石鯛(イシダイ)です。しかし、釣るのが難しい魚というイメージも強いですが、実は釣れるシーズン、釣れるポイントを間違えなければ、誰でも釣れます。そこで本記事ではイシダイの釣り方を考えてみましょう。
石鯛(イシダイ)とはどんな魚?
イシダイと言えば、シマシマ模様をイメージする人も多いでしょう。この特徴的なシマシマ模様は幼魚の間、もしくはメスの成魚にしかありません。オスの成魚は模様がなくなり、身体の色が黒っぽい銀色になります。このオスの成魚は特別に銀ワサや銀ピシャと呼ばれます。
釣りの対象となるのは40cm〜50cmほど。正確には分かっていませんが、イシダイは成長の遅くて一説によると60cmにまで成長するのに20年程度かかるとされます。その分パワーもあり賢くなるため、釣りの対象としてはかなり難易度が高くなってくるのです。基本的に1年を通して狙える魚ですが、特に4月から6月と9月から11月がベストなシーズンだとされています。
石鯛(イシダイ)釣りのタックルは?
イシダイを釣る時には、専用のタックルを揃える必要があります。貝類を好んで食べるほど、イシダイは丈夫な歯をしているため一般的なラインではすぐにブレイクしてしまうからです。またサイズもあり、パワーもあるためロッドやリールもそれに耐えられるものでないといけません。フックも頑丈な物でないと刺さりにくいため、タックルは専用の物を用意しましょう。またイシダイ釣りは足場の悪い場所で行うことも多いです。そのためライフジャケットや磯靴など、服装の点でも準備しておく必要があります。
石鯛(イシダイ)釣りの仕掛けは?
イシダイの釣りをする時の仕掛けはいくつかあります。釣りをする時のエリアなどによって、使い分けるといいでしょう。関東でイシダイを狙う時には遠投釣りが有名です。比較的に水深が浅いため、遠投をして釣る仕掛けになります。ロッドはイシダイ専用の物を使い、道糸にはPE12号から15号、ナイロンなら18〜22号、その下にイシダイ用の遊動サルカンをつけ、ハリスをつける形が一般的です。
もう1つは中層釣りという仕掛けがあります。イシダイ釣りのメッカ、九州エリアで多く使われます。これは仕掛けを竿下に垂らして釣るスタイルです。ロッドは手持ちが基本のため軽めの物、仕掛けは中通し重りを使ったもので瀬ズレワイヤは1ヒロ程度でいいでしょう。
石鯛(イシダイ)釣りの餌は?
イシダイの釣り餌には様々な物がありますが、魚の中でも非常にグルメ。基本的には磯に住む貝類などを好んでいますが、伊勢エビやウニ、サザエなど高級な食材を餌とすることも多いです。イシダイは満腹になるまで餌を捕食できません。そのため好みの餌を用意して、食いつかせていきます。
アサリ
イシダイの餌として有名なのがアサリです。釣具店でも販売されていて、むき身の物を数珠つなぎにして針にしかけていきます。イシダイの生息する場所は岩礁地帯ですので、アサリは生息していません。しかしなぜか好物のようで、よく食いついてきます。初めてイシダイ釣りをするのなら、コスパもよいおすすめの餌の1つです。
イカ
イシダイの餌としては、イカが使われることもあります。釣具店などで冷凍されたイカの切り身があるため、そちらを利用すると便利でしょう。あたりまえですが、餌釣りをする時は、どの餌を選ぶかが非常に重要です。中には駄菓子でイカを使ったものがありますが、そちらを餌にするという人もいます。刺激臭には敏感という特性があるため、それを利用した餌です。
ザリガニ
ザリガニもイシダイ釣りではポピュラーな餌です。釣り餌用のものが販売されているので、そちらを利用しましょう。生き餌として使われることも多いですが、冷凍のものも販売されているため、好みに合わせて選んでください。もちろん生き餌を安く仕入れたいというのであれば、近所の川でとってくるというのでもいいでしょう。
ウニ
高級食材として有名なのがバフンウニ。グルメなイシダイはウニも大好物です。バフンウニに限らず、ムラサキウニ、ガンガゼなどのウニは九州の北部や山陰地方などでは、イシダイ釣りの主流として使われている餌の1つになります。ウニのサイズによっては、1度の釣りで2個がけすることもあります。そのため量を用意しておく必要があるでしょう。
カメノテ
カメノテは沿岸部に生息する、貝の1種です。見た目が亀の手のように見えることからの名称です。柔らかい部分を餌として使うのですが、これは用意してきた餌がなくなった時に使えます。ほぼどの磯でも生息しているため、簡単に採取できてイシダイ用の餌としても効果的だからです。ちなみに見た目は良くありませんが、湯がいて食べると美味しいと評判です。
石鯛(イシダイ)釣りが難しい理由
イシダイの釣りが難しい理由として、よくあげられるのがアタリの違いです。イシダイは餌を見つけても、一気に食べるのではなく、異常がないか確認をしてから捕食する特性をもっています。貪欲に捕食する反面で、そうした慎重さも持っているのです。そのためアタリも、最初は小さなものがいくつかあります。ここで焦って合わせてしまうと、イシダイはかかりません。少し我慢することを意識すると、アタリも強くなり、最後にぐっと引き込むような大きなものがきます。
石鯛(イシダイ)釣りに最適な時期は?
先述したようにイシダイの釣れるシーズンは、春と秋の2回です。これは実は水温と大きな関係があります。イシダイの活性が上がるのが18度から24度くらい。そのため水温が上がりすぎる夏と、低すぎる冬には活性が下がります。この時期でも釣れないことはありませんが、釣りにくくなると言えるでしょう。
石鯛(イシダイ)釣りのコツは?
イシダイ釣りをするコツとしては、やはりアタリの見極めができるようにすることです。この見極めができるだけで、かなりイシダイが釣れる確率が上がるでしょう。あとは水深が浅い場所では遠投釣りが、水深のある場所では中層釣りといったように仕掛けを使い分けます。適切にイシダイを知って準備をしておく、という釣りの基本こそが最大のコツです。
磯の王者イシダイを釣ろう!
イシダイの釣り方を解説しました。磯の王者とも呼ばれるほどの魚ですが、適切にタックルを用意してシーズンを合わせれば、釣れない魚ではありません。ただ岩礁地帯は天候によって危険度が増すので、その点は注意しておいてください。