
根が激しい磯場や岩礁帯で底狙いの釣りをすると、どうしても避けられないのがオモリの根掛かりです。何度もオモリをロストしていると、仕掛けの交換だけでなくコストもかさんでしまいます。そんなときに役立つのが「捨てオモリ仕掛け」というテクニックです。
この仕掛けを使えば、根掛かりしたときにオモリだけを切り離し、針やハリスといった本体仕掛けは無事に回収できるようになります。今回は、捨てオモリ仕掛けの基本的な構造から具体的な作り方、実釣での使い分けまでを詳しく解説していきます。
捨てオモリ仕掛けとは何か
捨てオモリ仕掛けとは、根掛かりが発生したときにオモリだけを犠牲にして、本線や針、ハリスといった本体部分を守るための仕掛けです。通常の仕掛けでは、オモリも針も同じ強度のラインで結ばれているため、根掛かりすると仕掛け全体を失ってしまうことがあります。
この仕掛けの仕組みはシンプルで、オモリだけを本線より細い「捨て糸」で接続することで、強い力がかかったときに捨て糸だけが切れるようになっています。結果として高価な針やハリス、サルカンなどを温存でき、釣り場でのストレスも大幅に軽減されます。

どんな場面で必要になるのか
この仕掛けが特に威力を発揮するのは、海底に岩や障害物が多いフィールドです。たとえば磯場でのクロダイ釣りや、岩礁帯でのアイナメやカサゴといった根魚狙いでは、ベタ底を攻めることが釣果につながります。しかし底付近を丁寧に探ると、どうしてもオモリが岩の隙間に挟まってしまう場面が出てきます。
また、船釣りで深場の根魚を狙うときや、潮が速く仕掛けが流されやすい状況でも有効です。オモリだけを交換すれば釣りを続行できるため、仕掛けを最初から組み直す手間が省けるのも大きなメリットと言えます。
捨てオモリ仕掛けの基本的な作り方
それでは具体的な仕掛けの構成と作り方を見ていきましょう。使用する材料はシンプルで、釣具店で手に入るものばかりです。
用意するもの
- 三又サルカン(または普通のサルカン)
- 捨て糸用のライン(フロロカーボン2.5〜3号程度)
- オモリ(ナス型や丸型など、使用環境に合わせたもの)
- ハリス(本線より若干細めのもの)
- 針
組み立て手順
最も基本的な構成は、三又サルカンを使った方法です。まず本線(リーダー)を三又サルカンの上部に結びます。次に、三又サルカンの横方向の環にハリスと針を結び、これが実際に魚を掛ける本体部分になります。
そして最も重要なのが、オモリを接続する下部の環です。ここに本線よりも細い捨て糸を結び、その先にオモリを取り付けます。捨て糸の長さは30〜50cm程度が一般的ですが、海底の状況に応じて調整するとよいでしょう。
捨て糸の結び方と強度設定
捨て糸をオモリに結ぶ際には、わざと緩めに結んだり、コブを3個ほど作って結び目を弱くする方法もあります。こうすることで、根掛かり時に結び目から切れやすくなり、意図した通りオモリだけをロストできます。
捨て糸の太さ選びも重要です。たとえば本線がPE2号(リーダーがフロロ20lb)であれば、捨て糸はフロロ2.5〜3号程度に設定します。この強度差が、根掛かり時に本線ではなく捨て糸が先に切れる仕組みを作り出しています。
代替オモリの活用とコスト削減
捨てオモリ仕掛けを使っていると、当然ながらオモリの消費量は増えます。そこで実践的なのが、代替オモリの活用です。
石を使った自作オモリ
磯場や砂浜で拾った適度な大きさの石を、捨て糸で包むように縛って即席のオモリにする方法があります。石は現地調達できるため経済的で、万が一海底に残ってしまっても環境への負荷が少ないというメリットもあります。ただし形状が不安定なため、遠投には向きません。
ボルトやナットの利用
ホームセンターで入手できるボルトやナットも、捨てオモリとして活用できます。ある程度重量があり、安価に揃えられるのが魅力です。ただし塩分による錆が発生するため、環境面への配慮が必要になります。根が激しくオモリを何個も失う可能性がある釣行では、こうした代替品を用意しておくと精神的にも楽になるでしょう。
実釣での使い分けと注意点
ベタ底仕掛けとの使い分け
捨てオモリ仕掛けは、オモリを海底にしっかり着けて魚を誘う「ベタ底狙い」に適しています。一方で、潮に乗せて仕掛けを漂わせるような釣り方や、オモリを浮かせ気味にする中層狙いには向いていません。狙う魚種やその日の状況に応じて、通常仕掛けと使い分けることが大切です。
遠投時の注意
捨て糸は本線より弱いため、フルキャストするとキャスト時の負荷で切れてしまうことがあります。遠投が必要な釣りでは、捨て糸の長さを短めにしたり、太さを若干上げるなど調整が必要です。また、キャスト動作をゆっくり行うことでも破断を防げます。
捨て糸のメンテナンス
捨て糸は細く、摩擦や紫外線で劣化しやすい部分です。釣行中でもこまめに目視でチェックし、傷や毛羽立ちが見られたら早めに交換しましょう。特に根ズレが起きやすい環境では、1匹釣るごとに確認する習慣をつけると安心です。
応用編:シーン別の捨てオモリ仕掛け
船釣りでの活用
船からのアカムツ釣りやホウボウ釣りなど、中深場の底狙いでも捨てオモリ仕掛けは有効です。この場合、船の揺れや潮の流れで仕掛けが動きやすいため、捨て糸の長さを20cm程度と短めに設定すると扱いやすくなります。
磯釣りでのアレンジ
磯でのクロダイやメジナ狙いでは、ウキ釣りと併用する形で捨てオモリ仕掛けを組むこともできます。ウキ下を調整しながらタナを探りつつ、根掛かりリスクを最小限にできるのが利点です。潮の流れが複雑な磯場では、こうした柔軟な対応力が釣果を左右します。
まとめ
捨てオモリ仕掛けは、根が荒い場所で底を果敢に攻めたい釣り人にとって、非常に実用的なテクニックです。仕掛けの構造自体はシンプルですが、捨て糸の太さや長さ、結び方といった細部の調整が、実釣での使い勝手を大きく左右します。
最初は市販のオモリで練習し、慣れてきたら石やボルトなどの代替品も試してみると、釣りの幅がさらに広がるはずです。根掛かりを恐れずに攻めることで、他の釣り人が狙えない一級ポイントを果敢に攻略できるようになります。ぜひ次回の釣行で取り入れて、その効果を実感してみてください。





