
渓流釣りには色々なアプローチがありますが、その中でもちょうちん釣りはシンプルで取り回しやすい釣法として知られています。特に藪や倒木が覆い被さったような狭い場所で威力を発揮するため、他の釣り人が敬遠しがちなポイントを攻められる点が魅力です。
仕掛けが短く扱いやすい分、初心者でも比較的早く釣果を出せる釣り方でもあります。今回はちょうちん釣りの基本から、竿や仕掛けの選び方、ポイント選びまで実践的に解説していきます。
ちょうちん釣りとは|短い仕掛けで狭いポイントを攻める
ちょうちん釣りは、道糸の長さを竿の半分程度から同じくらいの長さに設定し、目の前のピンポイントを繊細に探っていく渓流釣りの手法です。名前の由来は、仕掛けが提灯のようにぶら下がる様子から来ていると言われています。
通常の渓流エサ釣りでは道糸を竿の長さと同等か、それ以上に取ることが多いのですが、ちょうちん釣りでは半ヒロ(約75cm)から1ヒロ(約150cm)程度に抑えるのが基本です。この短い設定により、竿を入れるのが困難な藪の中や、倒木の下、岩陰といったタイトなポイントに仕掛けを落とし込むことができます。
通常の延べ竿釣りでは攻めにくい場所を狙えるため、他の釣り人が手をつけていない魚が残っている可能性も高く、意外な良型に出会えることもあります。

ちょうちん釣りの仕掛け構成|シンプルだが奥が深い
道糸とハリスのバランス
ちょうちん釣りでは短い仕掛けゆえに、魚をそのまま吊り上げる場面が多くなります。そのため道糸はあまり細くせず、0.4号〜0.6号程度を目安にするのが安心です。細すぎると抜き上げの際に切れるリスクが高まります。
ハリスは道糸よりも細めの0.3号〜0.4号を基準にし、ポイントや魚のサイズに応じて調整します。フロロカーボンラインは水に沈みやすく、魚に警戒されにくいという特性があるため、ハリスには特におすすめです。
ガン玉とオモリの使い分け
流れの速さや水深に応じて、ガン玉のサイズと位置を調整します。一般的にはB〜3B程度を使用することが多く、流れが速ければ重めのガン玉を、緩やかな流れなら軽めのものを選びます。ガン玉はハリスの中間あたりに打つことが基本ですが、エサを自然に漂わせたいときは針の近くに寄せるなど工夫の余地があります。
目印の役割
ちょうちん釣りでは目印の視認性が非常に重要です。仕掛けが短く竿先に近いため、微妙なアタリを見逃さないよう、明るい色の目印を選ぶのがポイント。目印の位置は道糸の中間か、やや上部に設置することで、流れの中での変化を捉えやすくなります。
竿の選び方|硬調・超硬調が扱いやすい
ちょうちん釣りで使う竿は5m〜6m台が中心で、硬調または超硬調のものが適しています。仕掛けが短い分、竿自体の操作性と張りが求められるため、柔らかすぎる竿だとピンポイントにエサを落とし込みづらくなります。
藪の中で釣る場合、竿を縦に立てて操作するシーンが多くなるため、軽量で取り回しの良いモデルを選ぶのがおすすめです。渓流用の延べ竿であれば、エントリーモデルでも十分対応できますが、仕舞寸法が短く持ち運びやすいものだと、険しいポイントへのアクセスもしやすくなります。
渓流釣り全般に通じる基本的な装備については、渓流ルアーのポイント記事でも触れているので、必要に応じて参考にしてください。
ポイント選びと釣り方のコツ|魚の警戒心を解くアプローチ
狙うべきポイント
ちょうちん釣りで狙いたいのは、ブッシュや倒木が覆い被さっているような場所、小さな落ち込みや岩陰など、他の釣法では攻めにくいスポットです。こういった場所は人的プレッシャーが少なく、魚が潜んでいる確率が高くなります。
また、ちょうちん釣りは下流から上流へ釣り上がるのが基本です。魚は上流を向いているため、背後から静かに近づくことで警戒心を与えにくくなります。
アプローチの注意点
ちょうちん釣りでは、魚との距離が近いため身をかがめて静かに接近することが大切です。足音や竿の影で魚が逃げてしまうこともあるため、慎重な立ち回りが求められます。ポイントに入る前に一呼吸置き、周囲の環境をよく観察してから仕掛けを落とすようにしましょう。
仕掛けを投入したら、エサを流れに乗せて自然に漂わせます。目印の動きに注目し、不自然な沈み込みや横走りがあればアワセのタイミングです。短い仕掛けのため、アタリがダイレクトに手元に伝わることも多く、慣れてくると手応えだけでアワセられるようになります。
取り込みのテクニック
魚が掛かったら、竿をたたんで取り込むのが基本です。仕掛けが短いため、無理に引き抜こうとすると道糸が切れたり、針が外れたりするリスクがあります。竿を少しずつ縮めながら魚を手元に寄せ、最終的に手で魚を掴むか、小型のタモでサポートすると安全です。
エサの選び方と付け方
ちょうちん釣りのエサは、イクラ、ブドウ虫、川虫などが定番です。イクラは視認性が高く食いも良いため、初心者におすすめ。ブドウ虫は針持ちが良く、流れの強いポイントでも安定して使えます。
エサの付け方は、針先を少し出す程度にするのが基本です。針が完全に隠れすぎるとアワセが決まりにくくなり、逆に針が出すぎると魚が警戒することがあります。エサ全体を針に通し、針先を1〜2mm程度露出させる付け方が安定します。
釣り場によってはエサの入手が難しいこともあるため、事前に釣具店で確保しておくか、現地で調達できる川虫を使う方法も覚えておくと便利です。
ちょうちん釣りで注意すること
ちょうちん釣りは非常に有効な釣法ですが、いくつか注意すべき点もあります。まず、藪の中や倒木周りで釣るため、安全面への配慮が欠かせません。足場が不安定な場所では無理をせず、滑りにくい渓流シューズやウェーダーを使用しましょう。
また、短い仕掛けゆえに根掛かりのリスクが低い反面、魚とのやり取りで強引になりがちです。特に大型の魚が掛かった場合は、慌てずに竿のしなりを活かしながら慎重に対処することが大切です。
渓流釣りに限らず、釣り場のマナーも意識しながら楽しみましょう。ゴミは必ず持ち帰り、釣り禁止エリアには入らないよう配慮することで、釣り場環境の保全にも貢献できます。
まとめ|小さな工夫で大きな釣果へ
ちょうちん釣りは、短い仕掛けと機動力を活かして、他の釣法では手が届かないポイントを攻略できる魅力的な釣り方です。仕掛けのシンプルさゆえに初心者でも始めやすく、それでいて奥深さも持ち合わせています。
竿の選び方、仕掛けの調整、ポイントの見極め、そして静かなアプローチ。これらの要素をひとつひとつ丁寧に積み重ねることで、驚くような釣果につながることもあります。藪に覆われた渓流のポイントに立ったとき、ぜひちょうちん釣りを試してみてください。







