釣り人たちがいくら注意していても、起きてしまう水難事故。でも、ライフジャケットを着用するだけで、その確率が極限まで抑えることができるのです。2018年に法改正があり、すべての小型船舶の乗船者に桜マーク付きのライフジャケットの着用が義務化されました。遊漁船に乗船する時にも着用が義務化されたことから、釣り用ライフジャケットへの注目度も高まっています。とはいえ、めんどくさいイメージを持たれている人もまだまだいるようで、8割の釣り人は着用されていません。そこで本記事では、釣り用ライフジャケットの選び方などを紹介していきたいと思います。
ライフジャケットとは?
ライフジャケットとは、海に転落してしまった時などに浮き輪の代わりになってくれるアイテムです。船釣りはしなくて、足下がしっかりしている堤防でしか釣らないから大丈夫と思う人も多いでしょう。また泳ぎには自信があるから大丈夫と気軽に考える人も少なくありません。しかし実際には堤防からでも海に転落してしまうケースもあり、毎年約100名が海中転落で亡くなられています。この海中転落時に生存率をグッと高めてくれるのが、まさにライフジャケット。泳ぎに自信があってもライフジャケットは自身の命を守るために必要なものだと言えます。(出典:海上保安庁)
釣り用のライフジャケットには大きく分けて2種類ある
釣り用のライフジャケットも、大きく分けると2種類あります。1つはベスト型と呼ばれる物で、一般的にライフジャケットと言えばこちらをイメージする人が多いでしょう。もう1つは膨張型と呼ばれるもので、こちらはベストではなく腰に巻き付けたり、首に巻くような形をしています。かさばらないので、堤防釣りやバスフィッシングなどにも人気です。
ベスト型
ライフジャケットと言えば、ベスト型が一般的です。高機能な物から安価な物まで、幅広く販売されているのが特徴でしょう。浮力を作るための浮力体と呼ばれるものが入っているため、大きく重いのが欠点になります。高額なモデルになるとフィット感や気安さを重視したものになるため、釣りをするのにもピッタリでしょう。
膨張型
一方で膨張型と呼ばれる物もあります。こちらは首にかけたり、腰に巻いたりするタイプです。センサーが仕込まれていて水に濡れると、自動的にガスを注入して浮くというモデルは値段が高めの設定になっています。そのほかに手動式でヒモを引くと、膨張するタイプもあり、こちらは安価なのが特徴です。水に転落した場合、パニックを起こすこともあるため、安全性の高さで言えば自動的にガスが注入されるタイプでしょう。
安全な桜マークとは?
もう1つライフジャケットを選ぶ時のポイントがあります。それは通称で、桜マークと呼ばれるものです。このマークは国土交通省が定めた基準に適合するもので、品質検査に合格したものだけに付けられます。認定品でないライフジャケットでも、性能としては変わらない物が多くなっているのが現状です。また認定品は使えるカラーや柄にも規制があるため、デザイン性という面では一歩劣ってしまうでしょう。しかし国が設けた基準をクリアしている、という安心感があります。
釣りシーン別のおすすめタイプ
では釣りのシーン別におすすめとなる、ライフジャケットを紹介していきましょう。ただ飽くまでも目安となるものですので、安全性を高めたいのならベスト型のものをおすすめしておきます。
足場の安全な堤防釣りに向いているのは腰巻の膨張タイプ
足場が比較的に安全で、海に転落するリスクが低い堤防などの釣りをするのなら腰に巻く膨張タイプがおすすめです。ベスト型のように上半身に身につけるのではなく、腰に巻くために動きの阻害をしません。また見た目としてもスマートですので、ライフジャケットの着用を恥ずかしいと思う人にもおすすめできます。男女兼用でオシャレな物が多いのも特徴でしょう。
沖まで出るボートフィッシングに向いてるのは肩掛けの膨張タイプ
沖まででるボートフィッシングをするのなら、動きの阻害しにくさと浮力の高さから、肩掛けの膨張タイプをおすすめします。国土交通省の定めている浮力よりも、さらに高い浮力を実現したものもあり、万が一に海に落ちた時にも安心です。ただ安価なものは手動式となるため、水に落ちた時にパニックを起こさないことが重要でしょう。そのためにも実際に海に落ちたと想定して、ヒモを引く練習をしておくと安全です。
荷物が多く足場の悪い磯釣りにはポケット収納の多いベストタイプ
磯釣りをするのなら、ポケット収納が多いベストタイプがおすすめできます。このタイプは装着感も良く、浮力体も入っていますので万が一にも海に落ちた時の安全性が高いです。また釣り用のライフジャケットだと、ポケットの数も多いため荷物が多くなる磯釣りには最適でしょう。急な高波がくることもありますので、磯釣りをするのなら絶対にライフジャケットを着用して釣りをしてください。
カヤックや小さいボート、SUPフィッシングにはスマートなベストタイプ
カヤックやシーボートなどに乗る、SUPフィッシングをするのなら、同じベストタイプでも、スマートなものをおすすめします。ポケットの数が少なく、全体的にスマートな作りになっているため、子どもでも着やすいのが特徴です。マリンスポーツや水遊びをする時にも、このタイプのライフジャケットをつけていると安心して遊ぶことができるでしょう。
ライフジャケットについてまとめました
船釣りでは法改正によって、着用を義務づけられています。それだけライフジャケットがあるかないかで、生存率が変わってきますので泳ぎに自信があるとしても着用した方がいいでしょう。