大物を釣るためには、タックルの1つ1つのパーツがきちんと機能している必要があります。そしてタックルにおいて重要な役割の1つが、リールのドラグ性能です。そこでこの記事ではリールドラグの役割と調整方法について解説しています。
そもそもドラグの役割とは?
魚がヒットした時、リールを回してラインを引き寄せることによって、魚を釣り上げることができます。しかし魚の引きが強い場合、ラインが耐えられる以上の力がかかるため、ラインが切れてしまうこともあります。ラインが切れないようにするために、ライン自体が少し伸びるようになっていたり、ロッドがしなったり、自分の手の動きでショックを吸収したりもできます。しかしそれでも耐えられないほど強い急な引きに対処するために、ドラグ機能が必要になるのです。
ドラグとはどんな機能?
ドラグの性能というのは、リールに対して一定以上の力がかかった時に、リールが逆回転をしてラインを送り出すことです。このドラグ機能が付いていることによって、ラインが不必要に切れてしまう前に、ラインを送り出して魚の引きに対抗するわけです。あの「ジジジッ」という音がたまらないという釣り人も多いのではないでしょうか。
安価なベイトリールはドラグ音が鳴らない
ドラグが機能し、リールが逆回転することでラインが送り出される時、ジジジという音が鳴ります。 いわば、大物がかかった事の証拠のような音ですが、実は安価のベイトリールではドラグ音が鳴りません。ドラグ音も釣りの醍醐味の1つなので、ドラグ音が出るか出ないかで、ベイトリール選びをする人もいるほどです。
ドラグの基本的な調整方法は?
ドラグ設定の基本について、最初に説明します。ラインが切れないようにすることが、ドラグの目的であるということは、ラインの強度と同じくらいでドラグ機能が働くようにするという事なのか?ドラグ調整の基本数値は、ライン強度の3分の1です。つまり、ラインが3kgまでの強度であれば、ドラグの調節値は1kgという意味になります。ただし3分の1という設定は、ナイロンラインの場合です。PEラインの場合は、ライン強度の4分の1がドラグ設定値の基本と覚えておいてください。
また調整方法は目分量で行うのではなく、ドラグ調節値のものをロッドで実際に持ち上げて、指定の重さでドラグ機能が働くように調節します。ラインを結束しているのであれば、当初のライン強度よりも落ちている可能性が高いため、ドラグの数値はより低くなるでしょう。ペットボトルに水を入れてロッドを使って持ち上げながら調整すると簡単に重さが調整できます。
ドラグのメンテナンス方法
ドラグは、急激に性能が悪くなるというわけではないですが、1年に1度はメンテナンスすることをオススメします。メンテナンスの順番は、以下のようになります。
- ドラグ部分の分解
- 洗浄
- 給油
- 再組み立て
比較的新しいリールであれば、防水防塵性能も優れているため、分解と給油のみで十分でしょう。給油する際は、ドラグ専用グリスを使用するようにしてください。
シーバス狙う時のドラグ設定
シーバスを狙う時は、先ほど解説したように、ライン強度の最大値の3分の1が理想的な設定となります。こうすることで、まずはシーバスを確実にヒットさせ、フッキングさせることができるようになります。シーバスなど当たりが強い魚をターゲットにする場合は、確実にフッキングさせてから、状況に合わせてドラグを調節する方が良いでしょう。
特に大物がかかった場合、最初からドラグ調節を高めに設定しておくと、ラインがすぐに切られてしまう可能性もあります。少し弱ってきてからドラグを強くしつつ、釣り上げるというイメージが正解です。ですから手元を見なくてもドラグ調節ができるように、ドラグを強くするためにはどの方向に回せば良いのか把握しておくことが大切です。
アジング時のドラグ設定
アジングの時のドラグ設定は、とても慎重に行う必要があります。アジは口の皮膚が非常に薄いです。さらにヒットした瞬間にかなり魚が走るので、ドラグを強めに設定しているとすぐにばらしてしまいます。特に、ヒットした直後は急激に魚が逃げていき、予想以上の負荷がラインにかかってきます。ライン強度の半分に設定していたとしても、アジングではバラしたり、ラインが切れることもあるため、アワセの段階ではライン強度の3分の1から4分の1の設定にしてください。アワセの時でもラインが出るくらいの緩めの設定で大丈夫です。
ショアジギング時のドラグ設定
ショアジョギングの場合、周囲に障害物になるものがたくさんあるかもしれません。もちろん目に見える障碍物もありますが、ボトムに潜んでいるものもあり、ラインが伸びすぎるとスレてしまう可能性があります。ですから、ショアジギングの場合は、ラインの送り出しを抑えるため、通常のドラグ設定と比較して強めになるように設定してください。元も理想的なショアジギングでの釣り方は、ロッドを立てておくことで、ヒットした時の衝撃をロッド自体に吸収させることです。ドラグだけに頼る釣り方ではなく、ロッドの弾性をフル活用するような釣り方を学ぶ必要があります。
正しくドラグを設定して大物を獲ろう
大物を釣り上げる時や引きの強い魚をターゲットにする時は、リールドラグの役割が非常に重要になってきます。またドラグ音は、大物を取り上げる醍醐味の1つです。ターゲットやラインに合わせてリールドラグを調整することで、初めて正しい機能を発揮できるので、調整方法や設定値を守るようにしましょう。