誰にもジャマされずに釣りを楽しみたい。自ら大海原を漕ぎ出して、堤防では出会えない大型魚を釣りたい。そんな希望を叶えてくれるSUPフィッシング。釣り人にとって夢のような時間を体験させてくれるこの趣味を、僕も3年以上続けてきた。

そして最近、思うことがある。それは、

知識の乏しいSUPフィッシング初心者が増えている

ということ。今やインターネットで検索すれば、あらゆる情報が手に入る時代。だからこそ、手軽な気持ちでSUPフィッシングを始める人も多いのだろう。しかし、世に出回るSUPフィッシングに関する情報の多くは、リスクをしっかりと伝えずに希望だけを与えるものがほとんど。本来SUPフィッシングとは、ほんの少しの気の緩みで命を落としかねない危険を伴うアクティビティなのである。にも関わらず、お気楽なSUPフィッシャーがあまりにも多い。もし、SUPフィッシャーの海難事故が多発してしまえば、僕の最高の趣味が気軽にできなくなってしまうかもしれない。

そんな危機感すら芽生えてきた。そこで「SUPフィッシングはこんなに楽しいんだ」という情報だけでなく「SUPフィッシングはこんなに危険なんだ」というネガティブな情報もあえて発信していきたいと思う。本記事を見て、これまでよりも少しでいいから、危機意識を持ったSUPフィッシャーが増えてくれたら嬉しい。

SUPによる事故が年々増えている事実

まずは論より証拠から。毎年SUPにより帰還不能となり、海上保安庁のお世話になってしまう方が複数名公開されている。年代は10代〜60代、性別もばらばら。エリアを見ても全国各地で海難事故が起きている。中には行方不明になってしまった方もいるようだ。

参照元:海上保安庁

さらにカヤックによる事故の事例も見てみてほしい。SUPでも同じような状況に陥ることは十分にあり得る。

参照元:海上保安庁

つまり、何が言いたいかというと、SUPによりいつ誰が海難事故を起こしてしまってもおかしくはないということ。これは大ベテランの人であっても同じである。そして海難事故を未然に防ぐための策に「やりすぎ」なんてことはないのだ。

SUPフィッシングの危険回避術

それではSUPフィッシングを無事故で楽しむために、最低限これくらいの対策はしておこうという危険回避術をご紹介したい。その前にまずは大前提として、SUPフィッシングをするにあたり、こんな気持ちは捨ててほしい。

  • せっかく来たんだし出てみよう
  • せっかく来たんだしもう少し釣りしよう
  • せっかく来たんだしもう少し沖に出よう
  • 絶対に大物を釣ってSNSで皆に自慢したい
  • 家族に大き魚のお土産を持って帰りたい

せっかく早起きして、海までの移動や準備したことを考えると、なかなか後には引けない状況になってくる。でもSUPフィッシングを楽しむのも、全ては命あってこそ。SUPフィッシングをするにあたって最低限、これからご紹介する8つだけは注意していただきたい。

風による帰還不能

海上保安庁のデータによると、この風による事故がもっとも多い。特に気をつけなければならないのが、沖に向かって吹くオフショアの風。初心者の方であれば風速3mであっても帰還はハードなものになるだろう。現に僕も急な風により何度か怖い思いをしたことがある。もちろん事前に風速予報は確認している。しかし、あくまでも予報であって、2mと言われていても、たちまち風が強くなり、白波が立つことだってありえるのだ。初心者の方は3m以上吹く予報なら出ないと決めておいた方が賢明だろう。

潮流による帰還不能

これも帰還不能になる事故の大きな原因の1つ。急に潮の流れが早くなり、漕いでも漕いでもまったく前に進めない。そんな経験を僕もしたことがある。潮の流れと風が同じ方向に向かい出すと、さらに厄介だ。潮の流れが速い場所、緩やかな場所というのは決まっている。行く先のポイントで入っている先輩たちに聞いてみるのもいいだろう。さらに潮の動きが大きくない潮回りの日にまずはエントリーしてみるというのも1つの手だ。

うねりによる帰還不能

海のコンディションは分単位で常に変わっているし、同じ海況が続くということはあり得ない。つまり、うねりだって度合いは違えど、強まっていくか弱まっていくかのいずれかなのだ。SUPは構造上、水面との設置面積が広ければ広いほど進みやすい。うねりが大きくて常にSUPの一部が浮いてしまっているようでは進みは遅くなる。この推進力の低下と風や潮の流れが悪い方向に重なり合うと、帰還不能の可能性は一気に高まってしまうだろう。

パドルロストによる帰還不能

これも海上保安庁のデータによると大きな割合をしている原因の1つ。カヤックの場合、パドルをロストしないようにコードでつないでいる人が多いが、SUPにはまだまだその常識が浸透していない。というのもSUPは本来、常にパドルを握っているアクティビティスポーツだ。しかし、SUPフィッシングになるとパドルから釣竿に持ち替える。この気の緩みが生じるため、当然パドルをコードでつないでおく必要がある。パドルをロストしてしまうと、四つん這いになって手で漕ぐしかない。しかしSUPは横幅も広いため、手によるパドルはかなり漕ぎにくさを感じるはず。そのため、SUPの動力となるパドルは絶対にロストしないよう、対策をしておく必要がある。

落水から再乗艇できずに帰還不能

落水からの再乗艇を経験せずに沖まで出てしまう初心者の方が増えている気がする。僕も何度か再乗艇できずに困っている人と遭遇したことがある。近くにサポートできる人がいればいいが、もし自力での再乗艇ができない場合、SUPを引きながら泳いでの帰還はあまりに非現実的。そして急なうねりによる落水は誰でもありえることだ。であれば再乗艇はSUPフィッシングにおいて必須のスキルと言っていいだろう。まずは岸から近いエリアでぜひ一度練習してみてほしい。

落雷によるリスク

SUPフィッシングに関わらず、釣り人にとって必ず注意しなければいけないのが落雷。釣り人が命を亡くしたというニュースを聞いたことがある方もいるのではないだろうか。釣竿を立てて移動するSUPフィッシングでは特に注意しなければならない。すぐに岸に戻って避難することもできないので、少しでも雷の予報が出ていたら、絶対に出ないようにしよう。

漁船との衝突

漁船にとってみればSUPフィッシャーは、本当にちっぽけな存在だ。小さなうねりの間に入り込むだけで完全に姿が見えなくなってしまう。実際にプレジャーボートとカヤックの衝突事故なども海上保安庁では報告されている。こちらが最低限すべき対策としては、漁船へ近づかない、フラッグを立てて目立つようにする、自身も目立つ格好をする、というところだろう。

熱中症・脱水

自ら大海原に漕ぎ出すSUPフィッシングは想像以上に体力を消耗する。さらに直射日光と海面からの照り返しで紫外線をガンガン浴びる。楽しさのあまり気づいたら脱水や熱中症になっていたというリスクも十分に考えられる。日焼け対策をしながら、必ず多めにドリンクを持参しよう。すぐにエネルギー補給ができるスポーツドリンクがおすすめだ。

SUPフィッシングは楽しいけど危険

僕はこれからもずっと、SUPフィッシングをライフスタイルとして楽しみ続けるつもりだ。そしてSUPフィッシングの魅力を発信し続けたい想いもある。楽しいことだけでなく、リスクもしっかりと伝えて、正しい知識を持つSUPフィッシャーが増えてくれることを切に願う。

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