400年以上前から、趣味として嗜まれてきた釣り。その釣法はさまざまですが、中でも本記事では、日本の伝統的な釣具の1つ「弓角」についてご紹介していきます。歴史があるシンプルな仕掛けですが、現在でも現役バリバリの釣法です。青物など、ジギングでは釣れていないのに、この「弓角」を使っている人だけが爆釣させるなんてことも珍しくなく、実績はバッチリ。「弓角」に興味を持ったあなたは、ぜひ本記事を参考に「弓角師」を目指してみてください。
弓角とは?
弓角とは古くから伝わる疑似餌のことです。現代では様々なルアーが開発されていますが、今でも使われているのはそれだけのメリットがあるからでしょう。昔は牛の角や貝殻などで作られていたそうですが、最近ではアクリル樹脂などで作られています。弓角という名の通り、少し湾曲した形が一般的でボディには張りが仕込まれている形です。
弓角の主な対象魚は?
弓角を使った釣りとしては、サーフトローリングが一般的です。サーフから遠投をして、ただ巻きをするという釣り方になります。基本的には沖にいる青物を狙った釣りです。では対象となる魚を紹介しましょう。
青物(イナダ・ハマチ・カンパチ)
サーフトローリングでは大型の青物を狙えます。100mほどの遠投ができることが条件となりますが、イナダやハマチ、カンパチなどが対象です。メタルジグでは届かない距離まで遠投することで、ジギンガーを横目に思わぬ大型の魚を釣り上げることも珍しくありません。基本的に青物全般を狙えるため、朝マズメや夕マズメの時間帯は狙い目となっています。
ソウダガツオ
ソウダカツオも弓角で狙えます。ヒラソウダとマルソウダのどちらも釣れますが、人気なのはヒラソウダ。トロカツオの名称で良く販売されていて、脂がのっているて美味しく食べることができます。ただしアシの速い魚ですから、釣ったあとはすぐに処理をして氷締めをしてください。ちなみにソウダカツオは、白の弓角を好むのが特徴です。
サバ
中型青物の代表格であるサバも弓角で釣れます。40cmを超えるようなサイズが釣れることもあり、大型のサバは脂がのっていて美味しく、引きも強いため、人気のターゲット。最近では温暖化の影響もあってか、関東でもゴマサバが良く釣れるようになっています。群れにあたると数釣りもできますので、釣ったそばから締めて、鮮度を保ったまま持ち帰りましょう。
マゴチ
フラットフィッシュと呼ばれ、底付近にいるマゴチも弓角で狙える魚です。ちなみに海底付近にいるヒラメなども、釣ることができます。基本的に青物全般狙いで行われることが多い、サーフトローリングですが沈めて巻いていくことで、マゴチやヒラメなども釣れるのです。ただ専門に狙うのは難しいため、飽くまでもおまけ程度と考えておくほうがいいでしょう。
タチウオ
タチウオも弓角の対象魚です。ただ数が釣れるというよりは、夜釣りや朝マズメの時間帯などにヒットすることがあるという程度でしょう。歯が鋭いこともあってラインブレイクしてしまった場合は、タチウオのヒットが考えられます。もしタチウオの釣果情報があり、タチウオを狙うのであれば、ハリスを太めに設定し、ゆっくりとリールを巻いてください。
弓角の仕掛け
では弓角を使った釣りの仕掛けを紹介します。仕掛けとしては非常にシンプルで、初心者でも難しくありません。道糸の先にリーダーをつけて、飛ばすためのオモリを結び、その先にハリスと弓角を結ぶ形です。弓角は小さくて軽いため、遠投には向きません。そこでジェット天秤などを使うのが、基本的な構造となっています。
弓角のタックル
とにかく弓角を遠くに飛ばすことが鍵となるので、一般的な遠投用の投げ竿がおすすめです。25〜30号のオモリを投げられるロッドであれば問題ないでしょう。ショアジギング用のロッドでも代用は可能ですが、遠投性を考えると、長さもある投げ竿のほうが好ましいです。リールもサーフからの投げ竿に対応したものを選びましょう。道糸は飛距離重視のPEラインで太さは1.5〜3号。ハリスはフロロカーボンの5〜7号であれば問題ありません。
ジェット天秤
飛ばすためのオモリとして代表的なのがジェット天秤です。つける向きを間違える方が多いので、必ず仕掛けイラストの用につけてください。一般的には餌釣りとして使われるジェット天秤ですが、サーフトローリングで使っている人も非常に多いです。
遠投マウス
ジェット天秤とならんで良く使われるのが、遠投マウスです。なぜネズミを模しているのかは不明ですが、ネズミそっくりの形をしていることから、遠投マウスと呼ばれています。他にもサーフプレーン、スキップバニーなどの呼び方が一般的でしょう。遠投マウスもいわゆる天秤仕掛けとなっていて、沖合を狙う時に使われるものです。飛距離を狙うならジェット天秤。アピールを狙うなら遠投マウスと使い分けるのがいいでしょう。
弓角で釣るためのコツ
弓角で釣るためのコツはまずなんと言っても「遠投」です。ショアジギングをしている方たちに比べてさらに飛距離を出せます。ルアーマンを横目に弓角師だけが爆釣ということも珍しくないのは、キャスティングの飛距離の違いが大きいでしょう。着水をしたら次に早巻きです。バシャバシャと水面ギリギリで水しぶきを上げさせながら早巻きをしてください。青物は特に泳ぐスピードが速いので、かなり早巻きでも余裕で食いついてきます。そしてあたりがない時は、徐々に棚を下げていきましょう。
弓角が釣れる理由
弓角は小魚や小エビを模した形をしています。比較的に小型の疑似餌なのもあって、小さいシルエットになるのです。ルアーではメタルジグが使われるのが一般的ですが、ジグよりもさらに小さいサイズであるのも特徴と言えます。そのためメタルジグは大きくて食いつく気にならないフィッシュイーターでも、弓角なら爆釣というケースも少なくありません。もともと漁師さんの漁具であっただけに、その実績については言うまでもないでしょう。
弓角でサーフトローリングをしよう
弓角を使った釣りとしては、サーフトローリングが一般的です。ショアから遠投をして、ただリールを巻くという形になります。シンプルな釣りですが、先にもお伝えしたように大物とのファイトを楽しめるケースも少なくありません。意外と豊富な魚種が釣れますので、しっかりと締めて持ち帰ると美味しく食べることもできます。基本的に朝マズメや夕マズメの時間帯を狙うといいでしょう。シンプルだけに奥が深く、早朝の浜辺で釣りをする人たちの多くは、このサーフトローリングを行っています。
以上、弓角についてまとめました。日本で古くから使われている釣り具だけに、その実績は抜群です。サーフトローリングは仕掛けもシンプルなので、初心者にもおすすめできます。ぜひ本記事を参考に、弓角での釣果につなげていただけると幸いです。